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健康度

 最初に「健康」の定義について考えてみたい。国際連合の専門機関の一つである世界保健機関(World Health Organization=WHO)は「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定義している。つまり、ただ単に病気でないという状態ではなく、肉体も精神も完全な状態が健康であると定義されている。

 日本は長寿社会の世界のフロントランナーである。長寿社会における「健康」を考える場合、このWHOの定義から一歩進んだ考え方を取り入れなければならない。厚生労働省は「健康寿命」の研究と提案を進めている。健康寿命とは「日常生活に制限のない期間」と定義されている。この期間を過ぎると「他人の世話にならないと生きていけない状態」となる。筆者もPPK(ピンピンコロリ)を目指している一人であるが、必ずしもその希望が叶えられるわけでもない。

 岡山の男性の平均寿命は79.77歳で、都道府県別ランキングで15位である。女性は86.93歳で、こちらは堂々の8位にランクインしている。全体的に男女とも平均寿命が長いことは岡山の医療レベルが高いことに一因があるのかもしれない。

 ところが、健康寿命はどうかと言えば、男性が69.6歳、女性が73.48歳とそれぞれ全国で42位と30位になっている。岡山県人、特に男性は長生きはするが、健康寿命は全国でもワーストに近いと言える。人の世話になって生きる岡山の男性の期間は10.17年、女性は13.45年である。想像するだけで心が重くなる。岡山の医療の課題は長寿だけに留まらず、如何に健康に長く生きるかにシフトさせなければならない。正に、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の最大化が求められている。

 何故岡山の健康寿命が短いのだろうか。考えられる理由の一つは岡山の公共交通機関にある。東京や大都市と比較して交通機関の利便性はそれほど高くない。従って、多くの岡山県人は車に依存することになる。私も東京に住んでいる頃は地下鉄や山手線などに乗ることが多く、知らない間に一日1万歩程度は歩いてしまっていた。岡山では相当意識して歩かないと1万歩には到達しない。データで見てみよう。自家用車の通勤通学の利用率は大都市の17.4%に対して56.5%と非常に高い。大都市では地下鉄や路面電車の利用率が高いことが見て取れる。岡山人の健康寿命を延ばすためには車を止め徒歩か自転車をもっともっと活用すべきである。

本誌:2017年3.20号 11ページ

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