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[知的財産]拒絶査定不服審判の審理終結通知

 Q 特許出願になされた拒絶査定を不服として、拒絶査定不服審判を請求したところ、審理終結通知が送られてきました。審理終結通知がなされたということは、本件は特許されないのでしょうか。

 A 拒絶査定を不服として請求する拒絶査定不服審判における審理において、事件が審決をするのに熟したとき(審理の結論である審決が出せる状態になったとき)は、審理の終結が当事者及び参加人(当事者等) に通知されます。

 審理終結通知は、当事者等に近く審決がされることを知らせるものであり、この通知がされた後に当事者等が攻撃防御方法を提出しても、それを審理の対象にしません(なお、審判長は、必要があるときは審理終結通知の後に審理を再開することが可能です)。そして、審理の結果である審決は、審理終結通知から20日以内にしなければならない(但し、訓示規定) ことになっていますので、審理終結通知が届くと、間もなく審決がなされます。

 以前は、審理終結通知を省略しても当事者等にとって格別不利にならない場合は、省略することができました。その省略可能な場合の一つは、「拒絶査定不服の審判であって、請求が成り立つとき」(即ち、特許するとの審決をするとき)でしたので、特許審決がなされる場合には、審理終結通知が来ないまま、いきなり特許審決が送達されていました。拒絶審決がなされる場合には、まず審理終結通知が来た後、拒絶審決が送達されていました。このため拒絶査定不服審判において審理終結通知が来ると、悪い結果(拒絶審決) に終わることを覚悟する必要がありました。

 しかし、平成27年10月、審理終結通知の省略の規定が特許庁審判便覧から削除されましたので、これによって審判請求の成否を問わず(特許審決と拒絶審決の別に関係なく)、審理終結通知がなされるようになりました。つまり、拒絶査定不服審判において審理終結通知が来ても(昔の実務をご存じの方はドッキリしますが)、その後になされる審決の種類はわかりませんので、本件における結果は、間もなくなされる審決を待つしかありません。

 なお、この審理終結通知は、特許無効審判以外の審判においてなされますので、例えば、商標出願の拒絶査定不服審判等においても同様です。

本誌:2016年4.11号 20ページ

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