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経営者の言動をまねる従業員

 今回は、研修先や個人でレッスンにお越しの受講者さまから耳にする、貴方様の何気ない言動を鏡のようにまねる従業員さんについて、実際に起こり得た例を紹介します。

 従業員Aさん。「ちょっと アレなんですけど。」

 貴方様→「用件は?早く言え!」

 Aさんと目を合わせることなく、他の用事をしながらお答えになる貴方様。Aさんは、慌てふためいている様子で、おどおどなさっておりますよ。何でも的確にお答えになることのできる貴方様にとりましては、はっきり結論をまとめて話すことができない人は、もどかしいことでしょう。しかし、その対応をAさんが、悪気なくお客様にまねてしまっては大変です。

 まさかとお思いでしょうが、このようなことがありました。初めてお問い合わせを下さるお客様に、従業員がどのような対応をしているか、聞いてみたい。との管理職のお方からの申し入れにより、管理職のお方が研修を見学して下さっている会場にて、私が初めて電話にて問い合わせをするお客様役をしました。

 私:「あの~ちょっとぉ~アレなんですがあ~…」

 従業員:「アレとは何のことですか?」(まじめな表情で、即座に回答)

 私:「その言い方、私嫌!私お客様なんだから優しく話して欲しいですよ」(何度も研修にてお会いしたことのある従業員さんであること。貴方様が同席していらっしゃることで、受講者様全員緊張なさっておりましたので、少し冗談のように回答してみました)

 従業員:「では、ご用件は?」

 私:「もしや、上司にいつも早く用件を言え。と責められてますか?」

 従業員、私のちゃかした言葉が通じず、

従業員:「アレでは分かりかねますので状況を詳しくお聞かせ下さい」

 私:「やっぱりいいです。他の優しい対応のお店に電話してみま~す。さようなら~」

との楽しい会話になりました。

 貴方様ならば、私の上記のふざけている会話の仕方の意味にお気づきでいらっしゃることでしょう。そうです。お客様に責め立てるように答えを求める会話でなく、柔らかい会話のテクニックが必要です。

 実際の研修現場でのお話しですから、私と管理職のお方は目を見合わせて、“状況確認終了”さてさて、私のふざけた会話の意味が分からぬままの従業員さんへ、その理由を細かく分かりやすくお伝えする闘志に燃えるのでした。

 日常から、事あるごとに、貴方様に教えてもらおうとすると、「自分で考えろ」と恫喝され。貴方様の気のはった雰囲気を気づくことなく話しかけようとし「後にしてくれ」の一言で終わり。貴方様がやっと聞いてくれようとした時には、「言いたいことはきちんとまとめて話せ」とピシャリとした言い方をされ。尊敬すべき貴方様の言動をまねたい従業員さんは、一見、お客様には丁寧に接しているつもりが、丁寧で心のこもった対応とは言い難い対応になっているのです。 

 「部下に対する言動と、お客様に対しては違うだろうが!」との貴方様の声が聞こえてきそうですが、本当に実在するよくあるお話しです。 

 この度は、誌面の文字数の都合上、お客様への思いやりのある優しい会話の回答を紹介できませんでしたが、今回を機会に、現場の皆さまがどのような会話をなさっているのか、ぜひお試しになってみてはいかがでしょうか?もしも、貴方様が5歳の男の子ならば、「そんな、冷たい言い方をする男の子、綺麗なお姉さんは好きかなあ?」と問いかけるところですが。大人男子は、お姉さんにはお外でニコニコできており、従業員さんにはブッチョ面との大人の事情がございまして、お子さまより完治が遅れることがございますこと、どうぞお気を付け下さいませ。

本誌:2015年10.19号 19ページ

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