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さわやかに感じられる声のポイント

 メラビアンの法則、という円グラフをご覧になったことはあるでしょうか。「印象」をテーマにした研修などで必ずと言っていいほど取り上げられるのでご存知の方も多いことでしょう。

 初対面で相手に与える自分の印象、判断基準について、アメリカの心理学者メラビアンは、
 ・視覚情報(見た目・表情や仕草)55%
 ・聴覚情報(声のトーンや・抑場・スピード)38%
 ・言語情報(話の内容・言葉使い)7%
という実験結果を発表しました。これをメラビアンの法則といいます。とりわけ視覚情報が50%以上を占めることから、このグラフは身だしなみや姿勢の大切さ、美しいお辞儀をすることの意義などの観点で取り上げられることが多いのですが、実はメラビアンの法則では、この割合以上に、次の観点が大切であると言われています。

 メラビアンの法則では、初対面の人を受け入れるまで、4つの壁があるとしています。
 ・第1の壁【表情・服装・髪型など】
 ・第2の壁【態度・姿勢・しぐさなど】
 ・第3の壁【声の大きさ・言葉使い・テンポなど】
 ・第4の壁【話の内容】
 つまり、自分の言葉を信用してもらうためには、一つ一つ印象の壁を乗り越えながら第4の壁の話しの内容までたどり着く必要があるのです。

 私自身が言葉のプロである以上、第3の壁である聴覚情報に敏感にならざるを得ません。視覚情報が50%以上あることに注目がいくのに対して、聴覚情報が約4割もあることになかなか注目がされていないと感じて残念です。第1の壁、第2の壁と視覚情報をクリアしていっても、第3の壁である聴覚情報で引っ掛かっていては肝心の話しの内容を信頼してもらえないということにつながるのです。女性が多い研修現場では「この人ステキ♪と思ったのに、声を聞いてがっかりしたことは無いですか?」と聞くのですが、多くの女性が苦笑いしながら「あるある」とうなずいてくださいます。視覚情報と聴覚情報の整合性を整えるということはとても大切なのです。

 あなたは声の印象を気遣ったことがありますか。今回は、さわやかに感じられる声のポイントをお伝えいたします。「笑声」えごえと言う造語があります。良い印象の声を発することは、実は簡単です。リラックスした良い姿勢で、笑顔で発する声は必ず明るいトーンになる、という身体の仕組みになっているのです。

 口角を上げると歯に反射して声の中の「高次倍音」と呼ばれる成分が強調され、明るく華やかな音色になって外に出ていくのです。ほほの筋肉が使われることで、滑舌も良くなり噛みにくくなるという利点もあります。声だけで接客をする「オペレーター」の皆さんは、目の前のパソコンのモニターに必ず鏡を付けています。自分がどんな表情で話しているかを常に意識するようにトレーニングされています。

 もう一つ、オペレーターの皆さんが徹底してトレーニングしていることに声のトーンがあります。トーンとは声の高低のこと、話すことのプロはこのトーンを意識してシーンにふさわしい声の高低を選んでいるのです。一般的には少し高いトーンの方が、「明るい」「さわやか」「楽しそう」というプラスの印象を与えます。

 「耳触りがいい」「心地がよい」と言われる声のトーンがあり、電話オペレーターの皆さんは、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の音階の中の「ソ」の音で話すことをトレーニングします。(男性なら、もう一音階低いファでも良いでしょう)少し高い音だなと感じる人もいるかと思いますが、低い声よりは少し高い声のほうが相手に与える印象がよいのです。特に第一印象となるあいさつは、ぜひ「ソ」の音を意識して声を出してみてください。

 最近ではスマートフォンにボイスメモの機能がついていたり、ICレコーダーのかわりになるアプリもたくさん出ています。一度ご自身の声を録音してみることもおすすめします。自分が聞いている自分の声は、身体の中で響いた音を内耳で聞いているので、だれでもお風呂場で歌を歌ったときのようにプラス評価に聞こえているのです。まず何も意識しないで、30秒程度の自己紹介を録音してみましょう。ショックを受けるかもしれませんが、それが他の方が聞いているあなたの声です。

 暗い印象なら、口角を上げて、聞いている方が少し遠くにいるような意識をして、そして「ドレミファソ~」と音階を取ってみて、「ソ」を意識しながら同じ台詞を録音しみてください。きっと印象が違って感じられるはずです。まずはあいさつ言葉から、実践してみてください。

本誌:2015年8.24号 27ページ

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