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新幹線内焼身自殺事件

 開業以来50年もの長い歳月を死亡事故なしで運行してきた日本の新幹線ですが、安全神話が文字通り神話でしかないことを痛感させられる事件が起きてしまいました。

 1人の乗客が高速走行中の車内でガソリンを被って焼身自殺し、巻き添えになった女性が1人亡くなり、そのほかにも大勢の乗客が重軽傷を負い、また日本の大動脈が4時間近くマヒしてしまいました。

 この先、鉄道の安全をどのように担保していくのか、ワイドショーでは識者があれこれ問題点や諸外国の例を示して解説していますが、鉄道運行者にとっても乗客にとっても今後うっとうしい事態になることは仕方ないことかもしれません。

 しかし、中国で行われているような徹底したチェックは中国だからこそやれるシステムであって、過密スケジュールの新幹線ではとうてい無理であり、またテロや車内焼身自殺などという予想を超えた事態を抑止することはだれにもできません。

 では、性善説にたった日本の新幹線に乗るときどうしたらいいのでしょう? 飛行機にも墜落時に前の席がいいとか後ろ寄りがいいとかの説がありますが、列車の場合は後ろの車両に乗車するのがいいのは明らかです。これまでニュースで見てきた日本や外国の列車事故でもたいてい後方の車両は線路の上に留まっています。

 今回の事件で近くに乗り合わせた人の証言では焼身自殺した人の身なりや挙動は相当不審なものがあったようです。ところが現在の日本の風潮では近くの人がいくら不審に思えても見知らぬ人に話かけたり問い詰めることはできません。

 他人に「あなた、ポリタンクなんか下げて不審ですね。いったい何を企んでいるのですか?」などと声をかけてはなりません。間違いなく倍返しされて警察ざたになります。

 こういう場合はそっと逃げること。今回のケースでも指定席のある4号車まで逃げていれば相当安全度が高まったはず。もちろん1000回に1回も「逃げた甲斐があった」ということにはならないし、家族からは不安神経症だとバカにされるでしょうが。

 我々シニアにとって一番いいのは東京往復なら新幹線より安く、いつでも使えるシニア割で飛行機に乗るのが一番。セキュリティ対策だけはばっちりです。

本誌:2015年7.13号 15ページ

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