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政治家の品格

 夏から秋へと切れ目なく続いた天変地異がやっと収まったこのごろにわかに政治バトルが活況を呈してきました。中央政界では安倍政権の目玉だった2人の女性閣僚が就任以来わずかな日数で仕事らしい仕事もせずに辞任しました。

 きりっとした眼差しの小渕さんの場合は、疑念をもたれていることの重大さは別にして、「彼女は本当に何も知らないお姫様だったのだなあ」という感じですが、法務大臣だった松島みどり氏については安倍さんの女性観を疑います。よりによってどうしてこんな人を大臣に!

 あのおばさん、品のかけらもない発言を就任直後から連発していました。とりわけ私が許し難いと思ったのは民主党の蓮舫議員から“うちわ”問題で追求されたことを「雑音」と切り捨てたことです。代議制民主主義のわが国では国会議員は政治を国民から負託されていて、蓮舫議員の国会議場での質問は主権者たる国民からの質問です。それを「雑音」とは国民をなめきっています。

 一方、大阪では橋下大阪市長がある団体代表との間で吉本新喜劇顔負けのバトルを繰り広げていました。

代表「あんた」
市長「『あんた』じゃねぇだろ」
代表「『お前』でいいのか?」
市長「お前なぁ」
代表「『お前』って言うなよ」
市長「うるせぇな、お前」

 橋下さんは会見の最後まで相手を「お前」で通していました。一度は取っ組み合い寸前までいって警護の警察官や職員が双方を引き離し着席させました。会見というのに2人の距離は数メートル離れて設定。異様な光景です。机の上のものを投げつけられても身を避けるだけの時間をかせぐためでしょうか?

 何か見てはいけないものを見てしまった感じですが、橋下さんをある意味見直しました。悪いものは悪いときちんと相手を諭していました。どなりまくる相手に同じレベルでどなり返すのは修羅場に慣れた人でないとなかなかできないことです。

 橋下さんはおそらく子ども時代からあの調子でたくましく生きてきたのでしょう。高校時代にラグビーで体を鍛えたのも無駄になっていません。威嚇する相手から絶対逃げない姿勢はさすが百戦錬磨の貫禄があり喧嘩上手です。品格には多少欠けていても胆力はすごいですね。

本誌:2014年11.3号 15ページ

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