WEB VISION OKAYAMA

連載記事

シニア割引

 60歳とか65歳に到達した人には博物館や美術館、映画館の入館料や国内線航空料金が大変お安くなるシニア割引が各種あります。博物館などの割引もそれなりにありがたいのですが、一番お得感があるのが航空運賃です。岡山空港から那覇空港まで税込みで1万3300円。事前に予約ができないのが欠点と言えば欠点ですが。

 しかし、私のようにいつもふらっと思いつきで旅する人にとっては予約ができないことがかえって旅立ちを後押ししてくれるような気がしてなかなかいいものです。朝、空港に出かけて行き先ボードを見ては東京にしようか、札幌それとも那覇にしようかというぐらいいいかげんな旅立ちです。

 平日の出発なら正真正銘の満席になることはめったにありません。しかし怖いのは修学旅行ご一行様の予約で満席になっている場合です。どんなに体調が悪くても待ちに待った修学旅行をあきらめる生徒はまずいません。「本日は満席です」と言われてもあきらめないのが私流。あと15分でゲートが閉まるという土壇場になって「お客様Jクラスに1席キャンセルが出ました!」と朗報が届く確率は高いものです。Jクラスは普通席より1000円高いだけの上級席です。ちなみに全日空の上級席は8000円追加ですが、こちらはささやかなお弁当が出ます。

 さて、6月はじめ父が亡くなって49日の法要もまだですが、母がちょっと体調を崩して緊急入院したのをいいことに、台風8号が沖縄本島で大暴れしている最中に那覇に向かいました。超高齢の人の病気は急変することも十分ありうることですが、それを言っていたら何もできません。もし急な知らせがあったらその時はその時です。那覇から岡山とか高松行きの便が出た後でも大阪行きは遅くまであるはずです。予約の要らないシニア旅行の気軽さでその日のうちに岡山へ帰ることは十分可能です。

 それにしても那覇は不思議なところです。本土の判で押したようなまちづくりと明らかに違う、何かこの土地そのものが育んでいるような霊的なパワーを感じます。父の死がもたらした何ともいえない空虚感、喪失感を癒してくれる土地、今の私にとって唯一出掛けてみようという気を起こさせる何かがあります。

 那覇での夕方、母が入院している病院から電話があり一瞬ドキッとしたのですが、「病状が安定したのでHCUから病室へ移動してもらいました」という報告でした。一安心です。手頃な料金で国内どこにでも気軽に行くことができるのは大感謝といいたいのですが、数年前シニア料金が計画されたときは確か全国一律7000円の予定でした。それが今では倍になってしまっているのがかなり残念です。

本誌:2014年7.21号 13ページ

PAGETOP