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松江、高知まで

 前回、「母もそろそろお迎えか」と悲観的なことを書いていつも愛読されている方々にはご心配をおかけしたと思います。医師による検査結果は「特に異変はない」とのことでした。そのことの意味を冷静に考えたら異変を起こしていたのは介護によるストレスにさらされ続けている私の方であることに気づきました。

 1週間でも、とにかく介護の現場から離れ休養することにし、平成4年登録の愛車パルサーに乗って山陰と四国への旅に出ました。30万㎞走った車なのでトンネルの中でエンストしたらどうしようという恐怖を抱えながらのドライブです。最初の目的地は桜が満開の松江でした。子どものころ家族全員で1泊旅行したことがある懐かしい町です。

 松江は現在の都市景観の中にかつての城下町の情緒が色濃く残っています。歴史博物館では松江開城の歴史を手際よく映像で紹介しています。それに比べ、岡山市も同じような城下町なのにしっとりした情緒に欠け、また美術館や博物館が積極的に歴史を紹介しているわけでもなく、県知事の岡山イメージアップ作戦は空回りしているような気がします。

 いったん岡山に戻り、今度は瀬戸大橋を渡って高知へ行きました。桂浜へ行く途中に県立美術館があり立ち寄ってみました。ちょうど企画展の準備中とかで、地元の画家による展覧会ぐらいしか見るものはなかったのですが、運営方針に関してびっくりすることがありました。年末年始を除いて年中無休なのです!

 いったいなぜ美術館、博物館、図書館は週1回、しかも決まって月曜日に休館するのでしょうか。長年そうしているから……という以外に本当の理由はありません。心が折れそうになったとき1冊の本、1枚の絵をたまらなく見たくなることがあります。そういうときに限って「本日休館」なんですよね。

 現在全国的に図書館や美術館の開館日数の見直しが行われていますが、高知県立美術館の英断はやる気さえあればできることを実証しています。岡山市立中央図書館が今年度から開館日数を“他館並み”にするというニュースを聞きましたが、ぜひ年中無休を目指してほしいものです。

 かつて教育文化の先進県だった岡山県(市)もいつのまにか周辺各県にずいぶん遅れをとってしまったことが痛感される小旅行でした。

本誌:2014年4.21号 15ページ

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