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魅惑のビオレソリエス

 3、4年前からイチジクにニューフェースが登場しました。フランスから導入されたビオレソリエスという濃い紫色のとても甘いイチジクです。岡山ではまだこの品種が店頭で売られている光景を見かけませんが、通販では佐賀や新潟産が有名です。

 イチジクの中で最高の品質だと聞くとどうしても自分で育ててみたくなり、どこかで苗木が入手できないものかと探していたら、赤磐市にある山陽農園さんが苗木を販売していることが分かり、3年ほど前赤磐の農園まで出掛けました。

 山陽農園は苗木商としては割とマニアックな店で、必ずしも岡山の風土に合っていない珍しい果樹の苗も多数扱っています。若い苗木だけでなく、フランス流に枝を整え、すでに実がなっているものまで売られていて見て回るだけでも楽しいもの。

 私が購入したビオレソリエスも値段の高い大苗の鉢植えでしたが、翌年はカミキリの幼虫が幹に穴をあけて芯を食い荒らし樹勢が衰えてしまいました。そこでカミキリの穴から殺虫剤を噴射し穴をチューインガムで密封し、さらにイチジクの木を鉢から庭に移してやりました。

 昨年は木が育つのに精一杯だったのか収穫なし。ところが今年は9月になって実が熟してきました。黒っぽい紫の小ぶりの実があちこちに見えます。イチジクのいいところは桃などと違って実が一斉に熟さないことです。2、3日にひとつというぐあいに出し惜しみしながら秋の日にゆっくりゆっくり熟れていきます。

 その味は文句なしの美味! 試食してもらった訪問歯科の先生は「これは桃だ!」とおっしゃっていました。南フランスの海辺の丘陵に吹く風のにおいが漂ってきます。

 同じ西洋イチジクでもスーパーでよく見かける「桝井ドーフィン」というイチジクは甘みが足りず水っぽく要求水準の高い日本の果物市場でなぜこれが生き残っているのか不思議。低品質のものを作り続けるよりビオレソリエスのような高級品にシフトすべきです。

 佐賀や北国の新潟でできるものが岡山でできないはずがありません。現に私はビオレソリエスを庭先に植えてこれといった手入れもしていないのに最高の品質の実を収穫しています。ぜひドーフィンを作っている農家の皆様、ビオレソリエスの栽培にチャレンジしてみてください。

本誌:2013年10.21号 18ページ

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