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[知的財産]  特許を受ける際の発明の種類

特許をとる際の発明の種類が特許権の効力に大きく影響すると聴いたことがありますが、どういう意味でしょうか。

A :「物の発明」の特許が強力

特許の対象である発明( 技術的アイディア) は、下の図の通り、「物の発明」と「方法の発明」とに大別され、さらに「方法の発明」は「物を生産する方法の発明」( 以下、生産方法発明) と「物の生産を伴わない方法の発明」( 以下、単純方法発明) とに分類されます。これらの種類により、得られる特許権の効力が大幅に異なります。

特許権の効力は、物の発明では、その物の生産、使用、譲渡等、輸出入、譲渡等の申出の行為を独占( 他人の業としての行為を禁止) でき、単純方法発明では、その単純方法発明の使用を独占でき、そして生産方法発明では、その生産方法発明の使用と、その生産方法発明により生産した物の使用、譲渡等、輸出入、譲渡等の申出の行為( 以下、使用等行為) を独占できます。例えば、布を織る際の縦糸と横糸との張力をうまく調節することで新規な風合いの布を織ることを見出した場合、( 1 )「縦糸と横糸の張力の調節方法」( 単純方法発明)、( 2 )「縦糸と横糸の張力を調節する布の生産方法」( 生産方法発明)、( 3 )「縦糸と横糸の張力を調節して生産された布」( 物の発明) という3 種類の発明が見出されます。( 3 ) の特許では、生産方法を問わず、その布の生産、使用、譲渡等、輸出入、譲渡等の申出といったその布に関する殆どの他人の業としての行為を禁止できるのに対し、( 2 ) の特許ではその生産方法の使用とその生産方法により生産された布の使用等行為を、( 1 ) の特許ではその単純方法の使用を、それぞれ業として他人が使用することを禁止できるに留まります。

このように特許権の効力は、通常、物の発明> 生産方法発明> 単純方法発明の順ですので、「物の発明」かそれが無理なら「生産方法発明」として特許がとれないか、検討をすべきです。

笠原特許商標事務所
弁理士・所長
笠原 英俊氏
岡山市北区野田2-7-12
TEL086-245-0440

本誌:2013年8.26号 33ページ

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