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3度目の台湾旅行

 連休明けに大阪の友人を誘って台湾に行って来ました。パスポートの記録をたどってみると2009年、2011年、そして今年2013年と2年ごとに台湾へ出かけていました。いわば台湾を定点、定時観測していることになります。

 この1、2年の近隣諸国による対日情勢の厳しさを連日ニュースで見聞きしてきたせいか、台湾はまるで天国でした。おいしい食べ物にあふれ、人々は愛想がいいし、上海人のようにところかまわずけたたましく電話でどなったり唾を吐いたりする光景はまったくありません。

 以前から台湾人のマナーはとてもよかったと思うのですが、なかでも地下鉄の整列乗車にはびっくりでした。その整然とした乗降態度は東京と同等であり、大阪より上でした。

 もう一つ大きな驚きだったのは年輩の人はもちろんですが、ファーストフード店でも地元の客しか入らないような小さな食堂でも若い従業員がほぼ例外なく日本語で受け答えしてくれることでした。これも上海のタクシー運転手が“ステーション”とか“ホテル”という仕事柄必須の単語さえ解さないのと大違いです。

 台湾は日本国内を旅行している感覚で観光したり、ショッピングを楽しめる世界で唯一の国だと思います。

 英米の旅行ガイドブックは、初めて大陸ヨーロッパを旅行するのならまずオランダに行くことを奨めています。オランダはヨーロッパでは英語がダントツで通用し、大陸欧州独特の風習に慣れるのに好都合だからですが、台湾こそ日本にとっての“オランダ”ではないでしょうか。

 思えば日中国交回復以来“日中友好”の旗印のもと、安い労働力と無限の市場に期待しておびただしい数の日本企業が中国に進出していきました。しかし、漢詩や孔子、孟子に出てくるような清廉潔白な君子、風雅風流を解する文化人などどこにいるのやら。官民問わず上から下まで拝金主義に凝り固まり文明以前の振る舞いを平気でする中国人を相手に格闘し倒れた企業人は死屍累々の惨状です。

 尖閣国有化以降やっとハイリスクの中国との取引に台湾企業をかます知恵が日本企業にも浸透してきたようです。植民地時代の台湾総督府の美しい建物を今も総統府として大切に使ってくれている台湾こそ日本のベストパートナーとの意を強くした2年ぶりの台湾旅行でした。

本誌:2013年5.27号 15ページ

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