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殺人暴風雪

 先日の北日本をおそった暴風雪災害では痛ましい犠牲者が9人も報告されています。とりわけ父一人、娘一人の親子が遭難し、父親が自分の命と引き替えに娘の命を守ったというニュースには何とお悔やみを言ったらいいのか想像もできません。

 北海道の人々は寒冷地の厳しい気象条件には慣れていると思うのですが、今回のようなひどい暴風雪はかなりの高齢者も経験したことがないひどいものだったようです。

 雪に埋もれた車の排気ガスで一酸化炭素中毒になり一家4人がなくなったことも新聞で読んで暗然としました。いったいそういう状況に自分がはまってしまったら助かるだろうか、と自問したのですが、たぶん助からないと思います。あんなにも寒い土地で車のエンジンを切ったらそのまま冷凍人間になってしまいます。

 北海道の実情を知らないから気楽に思いつくのですが、一酸化炭素中毒を未然に防ぐために排気管近くの雪を除去することはできなかったのでしょうか。おそらく車のドアを開けることさえできない状態だったのでしょう。まさに一寸先が見えないホワイトアウト。

 それにしても自然災害の多い日本でいつ何時襲ってくるやら分からない自然現象の猛威に対抗するにはすでに開発済みの手段を普及させるだけでもかなり違うと思います。携帯電話やスマホに搭載されているGPS機能を積極的に活用して家族の居場所の正確な情報をつかむ訓練など自治体や警察・消防は行っているのでしょうか。

 大地震のときなど大規模災害が発生したとき、あわてて帰路につかず、現在安全なその場所に留まることが大きな危険や渋滞による混乱から身を守ることになります。家に帰るべきか今いる場所にとどまるべきか判断は難しいと思うのですが、今回の悲劇を教訓に、より安全重視で判断することが大切だと思います。

 日本は狭い国土の隅々まで人が住んでいます。ところが人口減少がはげしくいまや全国いたるところに「限界集落」が存在しています。日本はどんな僻地でも山奥でも人が住もうと思えば住むことを拒まれることはありません。しかし、自然災害を含めいざというときに消防も警察も対応できないような場所にこだわって生きていくのは手放しでは喜べないと思いました。

本誌:2013年3.18号 13ページ

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