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原発ゼロの日

 福島原発の事故以来、全国に50数基ある原発が定期検査をきっかけに順次停止しまもなく稼働中の原発はゼロになろうとしています。当初、政府のシナリオ通りなし崩し的に休止中の原発が再稼働するだろうと思っていたのですが、大阪維新の会の橋下大阪市長の発言力が増してきた現在どうやら原子力発電がゼロになる日が来ることは間違いなさそうです。

 日本という大電力消費国にとって原発の存在は生命線のはずでしたが、すでに9割以上の原発が停止した現在、何か不測の事態が起きているかというとそんなことは何もありません。比較的電力供給に余裕がある中国電力管内に住んでいるせいかもしれませんが、今現在電気が足りないという実感はありません。

 原発事故直後、大規模停電を避けるために計画停電を実施した関東の大騒ぎは何だったのでしょう。原発が止まっても東電の供給能力は事故から1年経過した現在ほぼ以前の水準に戻っています。工夫さえすれば電気はどこからでも沸いてくるものなのか、それとも今までの統計が原発なしではにっちもさっちもいかないような印象を与えるために歪められていたのか、とにかく不思議なことです。

 今しきりに真夏の電力不足が言われていますが、いったい日本の電気は足りないのか足りているのか、原発に頼らなくてもやっていけるのかどうか、ここはひとつ原発ゼロのまま真夏を迎えることが一番だと思います。節電も必要でしょう。

 節電というとすぐに電気がなかった時代に戻るかのような議論が始まるのですが、本当に危ないのは真夏のピーク時に限定され、日数にしても1週間から10日ぐらいの話です。しかも一番暑いのは午後から夕方にかけての数時間だけです。

 つまり太陽がカンカン照りでまぶしい時間帯にエアコンが一番欲しい。ということはいったん稼働したら昼夜を分かたず電気を作り続ける原発よりも、電気が必要なときに一番効率よく発電する太陽光発電こそ論理的にも政策的にも今もっとも推進すべきインフラだと思います。

 建設するにしても廃炉にするにしても、10兆円もの金がかかる原発に依存するよりはるかに安い投資で夏のピーク問題は解決すると思います。夏が来るのが楽しみです。

本誌:2012年GW特別号 17ページ

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