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連載記事

川上町世界のぶどう園

 川上町(高梁市)に世界の珍しいブドウを栽培している公営のブドウ園があって、今年も一般公開が始まったと山陽新聞で読みました。楽しげな記事にさそわれ、込み合うであろう休日を避け、月曜日の昼下がり、岡山市から車で2時間かけて“世界のぶどう園・食べ放題”を体験してきました。

 日本のブドウもおいしいのですが世界には様々なブドウがあり、とりわけヨーロッパ生まれの品種は日本の高温多湿をきらってうまく育ちません。昔ヨーロッパを旅したとき食べたような極上のブドウが59種類もあるのなら片道2時間のドライブも苦になりません。ところが……。

 入園料の1000円を払ってしばらく待っていると案内のおじさんが世界のブドウが植えられているビニールハウスに案内してくれました。

 いわゆる「ブドウ狩り」ではなくおじさんが「これはロシアのブドウでリザマートと言います」などと説明しながら棚からぶら下がっている房から一粒ハサミで切り取って観光客に渡してくれるのです。こうして約10種類ほどのブドウを順番に1粒ずつおじさんが取っては渡してくれるのをありがたくいただくというシステムです。

 何か変。おじさんが素手で渡してくれるのをそのまま口に入れるのに抵抗がないわけではないのは自分も十分おじさんだからまあいいけど、ニュースを見て都会からやってきた若い女性はびっくりするんじゃないかなと気がかりです。

 さて、世界のブドウ巡りを終えて(合計10粒!試食)いざ“食べ放題”のハウスへ移動したのですが、またしても誤算が。頭上にたわわに実る瀬戸ジャイアンツ(桃太郎ぶどう)は見るだけ、ノータッチです。

 “食べ放題”とはおじさんが奥の方からデラウェアとかニューピオーネなど平凡なブドウが3種類ほどチョコっと載った皿を持ってきてくれるのを食べることでした。これが普通以下の味で、お代わりをすすめられてもノーサンキュー。山陽新聞の記事を注意深く読めばそこにウソはないし、おじさんたちも熱心に説明してくれます。でも何か違う……。

 1000円の入場料は高くないにもかかわらずコストパフォーマンスが悪く、また心が満たされないブドウ園体験でした。井原廻りの帰路がずいぶん遠くまた空しく感じられました。

本誌:2011年秋季特別号 14ページ

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