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巻頭特集2010年大型店出店状況 注目案件、出店へ動きが加速

ヨーカ堂倉敷店、早くも店長が赴任 西大寺・カネボウ跡地は最終調整に

  • 増床へ仮囲み設けたイオンモール倉敷

 岡山県下の大店立地法に基づく新規出店の届け出件数は、2010年9件(9月末時点)と09年実績に達した。リーマンショック後の景気低迷による影響で、2ケタを割り込んだ同年と同様依然低水準だが、今年は倉敷チボリ公園跡地の㈱イトーヨーカ堂(東京都)主体の商業施設の出店計画が年内にまとまる予定で注目度が高まっている。ヨーカ堂では10月半ばに、JR倉敷駅前地区に開設準備室を設けており、着々と準備が進む。大型店の出店動向をまとめた。

 2010年岡山県下の大店立地法の出店届け出は9件(9月末時点)。低調だった09年の9件には並んだが、リーマンショックの影響による景気低迷以前の07年(18件)、08年(15件)と比べ低調だ。

 10年の届け出で目立ったのは、ともに2店の出店計画を出しているディスカウント店「ディオ」運営の大黒天物産㈱(倉敷市)と、HCチェーンの㈱ナフコ(北九州市)。ナフコは近年、関西や北陸などでも多店舗化を進めており、県下でも店舗網を拡大。今回の2店をオープンすると県下9店となる。大黒天物産も10年5月、九州1号店を出店し、店舗網を拡大しており、県下では新規出店や移転により店舗網を再整備している。

 最近の出店傾向を見ると、郊外での大型店出店を規制した改正都市計画法完全施行の07年11月以降、小型化。店舗面積1万㎡を超える開発は約3年間なかった。年内に大店立地法の出店届けを行う予定のイトーヨーカ堂のチボリ公園跡地開発が、店舗面積は未定ながら延べ床約7万㎡におよぶほか、岡山市西大寺地区のカネボウ跡地の商業施設開発も行政がらみの案件で、スポーツ施設が入るため店舗面積は流動的だが、延べ床では1万㎡を軽く超えるものとなりそう。

【倉敷市】
ヨーカ堂倉敷準備室立ち上げ
イオンモールも工事準備進む

 ヨーカ堂の計画は約11万㎡の敷地に、事業主体の自社ショッピングセンター(延べ3万3000㎡)と三井不動産㈱(東京都)のアウトレットモール(同3万6400㎡)を建設。建物構造や店舗面積などは未定のままだが、計画ではともに約100店を導入し、2011年内のオープンを目指す。年間800万人の来店を見込んでいる。

 イトーヨーカ堂では9月15日付の人事で、倉敷店ストアマネジャー(店長)として、東京・金町店SMの須賀秀人氏が就任。10月11日にも、JR倉敷駅周辺に開設準備室を設置、岡山に赴任した。通常はオープン予定の10カ月前とされる店長就任だが、今回は予定から14カ月前の赴任で、ヨーカ堂を挙げた「肝いり案件」というのが伝わってくる。当面は、周辺商業施設を含めた現地調査が主体となる模様。

 また、同じJR倉敷駅北側のエリアで競合相手となるイオンモール倉敷(倉敷市水江1)でも増床を計画。敷地内の平面駐車場の一部を増床用地に充て、建物を東に拡張。増床部分は鉄骨2階(延べ約2万7000㎡)の規模で、専門店約50店を導入する。既存テナントと合わせ200店とし、ヨーカ堂と同時期の来年内の改装オープンを目指す。

 増床の届け出を前に、一部駐輪場の移設する変更届を倉敷市へ提出、駐車場を中心に仮囲いを設け増床予定地を整備しており、こちらも来年内の大幅増床オープンに向け、準備が順調に進む。

 ハード面中心に準備が進む一方、テナントの誘致は思うように進んでいない感もある。ヨーカ堂の施設でアウトレット部分を含め約200店、イオンの増床で50店増えるだけに、ジーンズの国内産地・児島のジーンズメーカーでは「倉敷駅周辺には取引先があり出店の要請があったが断った」とし、ブランド力のあるテナント誘致には苦戦もしているようだ。

【岡山市】
西大寺の大型施設届け出間近
撤退、建て替えの物件が増加

 今年度中にも、同法の出店届けが出そうなのが、カネボウ西大寺工場跡地の民間活用エリア(約2万6000㎡)に建設予定の複合商業施設。昨年末の事業プロポーザルで、三菱地所㈱(東京都)を代表に、地元の㈱モミジヤ運動具店などで構成するグループと交渉しており、10月末をめどに、市と建物の大きさ、用途などを盛り込み仮契約する見通しで、届け出前の最終調整に入っている。順調に進めば、年内にも大店立地法の出店届提出の可能性もある。

 5者が参加したプロポーザル時では、フットサルコートやスポーツクラブ、パソコン教室、カルチャースクールに加え、スポーツ用品店と家電量販店、ホームセンターで構成しスポーツ、カルチャー、ショッピングを切り口とした商業施設「西大寺グリーンテラス」を提案。鉄骨2階一部3階(延べ約1万5000㎡)として計画しており、こちらも近年見られなかった大型施設となりそうだ。

 また、出店から年数が経過し、既存施設の立て替えによる出店の動きも進む。㈱天満屋ストア(岡山市)では、2月末にも岡山市中区円山115-1の総合スーパー「天満屋ハピータウン円山店」を閉店し、建て替え工事に着手する。食品スーパー「ハピーズ」に業態変更する。同店は鉄筋2階(延べ8542㎡)で店舗面積は約5000㎡。同社では、2011年2月期決算に、建物などの撤去引当金繰入額として特別損失(8000万円)を計上している。

 市内の大店立地法の窓口となる岡山市では「変更を含め立地法の届けに関する相談は、(昨年に比べ)増えている」と話す。市内では、「天満屋ハピータウン妹尾店」(岡山市南区箕島1387-1、8月閉店)や「ベスト電器西大寺店」(同市東区益野町1-1、同)など撤退した店舗があり、その跡地開発・活用による問い合わせがあるものとみられる。

 一方、倉敷市の担当窓口では「新設で言えば話題になっている1件程度。倉敷で言えば昨年のほうが多い印象で、店舗開発できるまとまった用地が限られてきている」と見解を話す。

 ただ、景気悪化で工場などの統廃合や大型店舗の撤退などが進んでおり、店舗網拡大を目指す県外企業、新興勢力にとっては出店のチャンスといえる。

本誌:2010年10.18号 4ページ

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