WEB VISION OKAYAMA

連載記事

春の食材、タケノコとヒラ

 ここ十数年、耕作放棄地にどんどん竹が進出し竹林の面積は増える一方だそうです。タケノコの消費量も増加しているので、それはいい具合だなと思ったらそうでもなく、売られているタケノコは中国からの輸入物が主流とか。

 そんな新聞記事を読んで、そういえばもう何年も見に行っていない我が家の竹林はどうなっているのか気になり4月のある日、タケノコ掘りに出掛けました。

 京都のブランド・タケノコなどとは全然違う野生味満点のタケノコはさぞエグイかというとそうでもなく、わざわざ糠でゆでなくてもそのまま味付けして大丈夫でした。

 とはいえ、同じ竹林のタケノコでも素性のいいものとそうでないものがあります。おいしいタケノコを見分けるコツとは?

 竹林にはずんぐりとたくましいタケノコに混じって少し“不健康で虚弱体質な”タケノコがあるのです。ちゃんと丈夫な竹に育つのかなあという感じがしますが、食べてみるとアクもエグミもなく美味、第一掘り取るときあまり抵抗しません。

 具体的に言うと、タケノコの断面が楕円形にひしゃげた感じがするものが極上品。節と節のあいだも多少間延びした感じがするものがいいのです。

 無理にこじつけ話をするつもりはないのですが、このごろ学校子供にこういうひ弱なタケノコ型の児童が増えているようです。

 体育の授業で擦り傷を負って家に帰ると親が学校に文句を付ける現代の日本。しかし近い将来、大きな破局が来るのが避けられそうもない世界情勢の中では、骨太でアクが強くエグイぐらいの子供でないと生き残れません…。

 さて5月はモウソウチク(孟宗竹)に代わってスレンダーなハチク(淡竹)がほんの一瞬市場に出ます。ハチクはヒラの酢魚、エンドウとともに春のばら寿司には欠かせない食材です。

 岡山のヒラは最近流行のサワラよりもしっかりした食味の魚で煮付けにすると最高なのですが、小骨が多いためか若い人にあまり人気がないのがちょっと残念です。

本誌:2010年5.31号 12ページ

PAGETOP