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防寒無策

 年明け早々日本列島は大寒波に呑み込まれ、南国の鹿児島でも雪が積もり、我が家でも戸外の水道栓が凍り付いてしまいました。

 この季節、断熱性能がいい暖かい家やオフィスにいればつらいどころか他のどの季節よりも落ち着いて素敵なものなのに日本人はなぜか太古の昔から寒さに無防備・無頓着です。

 防寒対策をする金や技術がないというのではなく、何か日本人の生活観、人生観の中に寒さに耐えることが精神的に高尚なことで身体にもいいものだという思い込みがあるのではないでしょうか。その証拠に貴族社会でも武家社会でも、火鉢以外に冬を乗り切る工夫をした形跡がまったくありません。

 こうような風潮は現代にも生きていて、真冬に裸足で上半身裸で子どもを遊ばせている保育園がときおり話題になります。「子どもも喜んでいるし、風邪も引きません」などと園長が自慢気にしゃべっていたりします。とんでもない話です。先進国の中で日本に腎臓病患者が異常に多いのは寒さに無防備な生活様式が関係しているに違いありません。

 政府はエアコンのエネルギー効率などにはやかましく文句をつけるくせに省エネの鍵になる住宅やオフィスの断熱性能アップに対しては、まったく無策というわけではないにしても、いかにもやる気なしという印象です。

 県庁や市役所も廊下の電灯を消して回るような姑息な省エネはやめて、窓のペアガラス化を率先して行うべき。さらに小中高の窓ガラスの高性能化は校舎の耐震化工事よりもよほど児童生徒の健康増進に役立つと思います。

 10年ほど前にパリのルーブル美術館に久しぶりに行ってみたら、建物自体が文化財なのに、窓はすべて最新のペアガラスに入れ替えられていました。暖かい上海でもホテルの窓は3重ガラスが入っていました。

本誌:2010年1.25号 12ページ

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