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[経営] 取締役の責任と権限

Q:私は、父である社長から、来期から取締役になるようにと言われています。役員になると、どの様な責任が発生するのか心配ですので教えて下さい?

A:取締役の義務を果たしましょう!

1.取締役の権限:(1)会社の業務執行に関する決定に参加、(2)代表取締役の選任・解任、(3)取締役会の招集、(4)株主総会への出席などです。

2.取締役の責任(対会社):取締役は以下の義務を果
たさず会社に損害を与えた場合は、当事者である取締役、役員会で異議を唱えなかった取締役も連帯して会社に損害賠償責任を負います。

(1)善管注意義務・忠実義務違反。例えば不十分な信用
調査で新規取引を開始し多額の貸倒れを発生させた等「役員として正当な注意を怠った場合」、又「法令・定款等を守り会社に忠実に職務遂行しなかった場合」等。
(2)競業避止義務。役員会の事前承認無く、会社業務と
同様の取引により、会社以外の者に利益を与える行為は禁止されています。
(3)利益相反取引。取締役が会社と以下の取引を行う場
合、取締役会の事前承認が必要です。また会社に損害が発生した場合、役員会で異議を唱えなかった取締役は、損害賠償の無過失連帯責任を負います。(例)役員への金銭貸付、会社と商品・土地・有価証券等の売買、取締役への債務保証・債務免除・債務引受等取引。
(4)違法配当。配当可能限度額を超えて違法配当した場
合、会社に対して違法配当額の弁済につき無過失連帯責任を負います。粉飾決算を見過ごした場合も同様。
(5)法令・定款違反。定款目的以外の新規事業を行う場合は、定款目的変更を行う必要があります。

3.取締役の責任(対第三者):取締役の悪意・重過失
により会社の債権者・株主に損害を与えた場合、民法の「不法行為責任」が発生します。(例)放漫経営、
支払手形の乱発、会社財産の横領等です。取締役は、他の取締役の監督・監視義務がありますので、明確な「不法行為」差し止め行動をとらなければ、連帯責任を負わされる場合があります。

4.まとめ:新たに役員になる場合、取締役の義務と責任を認識し、社長や他の役員の行為でとばっちりを受けない様に、しっかり主張して義務を果たしましょう。

税理士法人石井会計代表
石井 栄一氏
岡山市南区新保1107-2
TEL086-201-1211

本誌:2009年12.7号 21ページ

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