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[経営] 取引先倒産に対する対処法について

Q:最近、取引先倒産が続きましたが、債権回収額を最大化するため、どの様な点に留意すべきでしょうか?

A:早急な現状把握と回収行動を!

1.会社の倒産とは?:会社の倒産とは、経営破綻して「私的整理」(銀行取引停止処分や内整理等)又は「法的整理」(破産、特別清算、会社更生法、民事再生法等)手続開始となった状態です。6ヶ月以内に手形等の2回目不渡りを出し「銀行取引停止処分」となると、2年間は当座・貸付取引が停止されます。

2.現実の倒産処理:私的整理が、全体の84.5%を占め、破産13%、会社更生・民事再生2%と法的整理は僅かです。従って「取引先の倒産情報」を知ったら、まず現場に急行し現状確認、法的手続き開始の有無・営業継続か否か・他の業者の動き・不動産等の資産状況の調査が重要です。「法的整理開始前」は、いかに独自に債権回収を図るかが重要です。売掛金・貸付金等からの回収、商品の引上、代物弁済、役員個人資産の担保提供等が考えられます。「法的整理開始後」ならば、法律に沿って債権額の確定と弁済を求めます。

3.倒産の具体的手続:経営者が倒産を決めると、まず弁護士に相談し、「倒産形態」(再建型か清算型か、法的整理か私的整理か)と「倒産時期」を決定します。

例えば「破産」の具体的手続は、(1)「破産申立て」(債務者か債権者が裁判所に申立、直ちに保全命令発令)、(2)「破産宣告」(支払不能か債務超過の判断により破産宣告、破産管財人を選任)、(3)「破産管財人の調査」(債権調査と財産目録・貸借対照表の作成)、(4)「債権者集会」(管財人より破産財産の状況、破産原因の説明と今後の方針決定)、(5)「破産処理」(全て破産財産を強制換価処分、公平に債権者に配当)となります。

4.実務上の留意点:(1)買掛債務の支払について。原則は約定期日に支払えば問題ありませんが、別の債権者が買掛債務を差押さえた場合、裁判所に届出て「差押え権者」に弁済か、法務局に「供託」する必要があります。(2)否認権の行使:破産者が破産宣告前に、本来破産財団とすべき財産を処分したり、債務と相殺して特定債権者に優先弁済する場合があります。この場合は、破産管財人は「否認権」を行使して、取引の効力を無効にし、減少財産を復活させることが出来ます。

税理士法人石井会計事務所代表
石井 栄一氏
岡山市南区新保1107-2
TEL086-201-1211

本誌:2009年11.9号 29ページ

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