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値切り交渉

 連休後半に友人Kを誘ってバンコクに行きました。いつもながらタイスマイルには癒されます。しかし天国のようなタイでもひとつだけ不満があります。屋台の物売りやタクシーとのわずらわしい値切り交渉です。

 バンコクのタクシーはメーターを使用することが義務づけられているにもかかわらず、客が外人と見るやメーターを倒さず最低でも3倍はふっかけてきます。最上のカモは日本人。

 夜、タイ料理を堪能してホテルに帰るのに流しのタクシーを捕まえました。運転手に「メーターを倒して!」と言ったら、即座に「道が混んで時間がかかるからメーターは使わない。150バーツで行ってやる」と主張。日本円にして450円ぐらいです。

 3倍ふっかけているなと思ったものの値切るのも面倒だったので言い値に同意。混んだ道を右に左に車線を目まぐるしく変えながら曲芸のような運転を披露するので、私はこれも値段の内とふっかけ料金のことは忘れることにしました。

 しかし、ホテルに到着してから珍しく友人Kが私を批判し始めました。「岡さんは何にも考えないで行動する人間だということがよく分かりました。市内はどこでも50バーツだということをよく知っているくせになぜ交渉もしないで乗り込むんですか」と私の無策を責めさいなむのです。

 私も反省しました。タクシー代なら損しても大したことはないけれど、これまで60年の人生でどれだけ詰めの甘さで泣いてきたことか。友人Kはタクシーにかこつけてそこのところをチクチク突いてきているように私には思えました。

 しかし、友人Kにしたって億万長者を夢見て今まで宝くじにつぎ込んだ金は1千万以上、それでもまだ懲りていないのですから本当に男とはバカな生き物です。

 この1件の後、万事お金にシビアな欧米人がタクシーに乗るところをつぶさに観察してみました。値段交渉をしないで乗り込む人はただの1人もいませんでした。

本誌:2009年5.25号 12ページ

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