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[事業承継] 中小企業経営承継円滑化法(その2)

中小企業経営承継円滑化法(その2)

Q.前回の「遺留分の民法特例」の解説に続き、今回は新設された「非上場株の相続税納税猶予制度」の内容と適用要件について解説します。

A.非上場株の相続税納税猶予制度創設。

1.概要:平成21年度税制改正で、自社株相続時の相続税負担軽減の為、「事業承継相続人が相続等で取得した自社株の課税価額80%相当の相続税を納税猶予する制度」が新設されます。法案成立は平成21年3月末予定ですが、納税猶予制度の適用開始は、平成20年10月1日以降相続分に遡及適用される予定です。

2.対象会社の要件:(1)中小企業基本法上の中小企業(注1)で、生前に経営承継計画につき経済産業大臣の確認を受けている(但し平成22年3月末までの相続、被相続人が60才未満の場合等は省略可)、(2)非上場会社、(3)資産管理・運用会社(有価証券・不動産・現預金等が総資産の70%以上等)でないことが要件です。(注1)「中小企業基本法の中小企業」とは「(1)製造・建設・運輸業等で資本金3億円以下・社員3百人以下、(2)卸売業で資本金1億円以下・社員1百人以下、(3)小売業で資本金5千万円以下・社員50人以下、(4)サービス業で資本金5千万円以下・社員1百人以下の会社。

3.対象株式の要件:相続等で取得した株式で、発行済株式総数の3分の2に達するまでの部分の株式です。仮に相続前から自社株を50%保有し、相続で50%追加取得の場合、納税猶予対象株式は17%分となります。

4.適用要件:(1)被相続人の要件:1)会社の代表者であったこと、2)被相続人と同族関係者で発行済株式総数の50%超保有かつ同族関係者(事業承継相続人を除き)内で筆頭株主であったこと。(2)事業承継相続人の要件:1)会社の代表者であり、被相続人の親族であること、2)相続等により自社株を取得し、相続人と同族関係者で発行済株式総数の50%超保有かつ同族関係者内で筆頭株主となること。(3)事業継続要件:相続税申告期限後5年間事業継続し、経済産業大臣への報告が求められます。「事業継続」とは具体的には、1)代表者であり続ける、2)相続した対象株式を保有し続ける、3)雇用(社会保険加入の正社員)の8割以上維持することです。次回は、猶予税額の求め方、猶予打ち切りの場合、本制度活用例を解説します。

税理士法人石井会計代表
石井 栄一氏
岡山市新保1107-2
TEL086-201-1211

本誌:2008年11.10号 32ページ

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