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歯科自由診療(下)

 自由診療の歯科に予約を入れたもののずいぶん迷いました。株は史上空前の暴落をしているしこの先どんな経済事情が待っているか不安です。それにそもそも保険による治療がそんなに劣悪とも思えません。

 ちょうど同じころ父が入れ歯をなくしたと言いだし、父を近所の別の歯科医院に連れていきました。待合室の雰囲気もいいし物静かで誠実そうな先生の人柄には好感がもて、私もここで診てもらおうと心に決めて家に帰りました。

 ところが人のうわさは怖いもので、その歯医者に治療してもらった人が「あそこはお薦めできません」というのです。理由を聞いたら歯髄が生きているかどうかを調べるのにいきなり歯に電気を通され、衝撃がズッキーンと脳天を襲ったとか。

 実は私も昔大阪でこれをやられたことがあります。車のキーが静電気でパチッと鳴っても心臓が止まりかけるぐらい極度の電気恐怖症の私にはそんな歯医者は論外です。

 結局、予約通り自由診療の先生のところに行きました。とびきり容姿端麗なアシスタントのお嬢さんが滅菌スリッパを履かせてくれるのも今日は嫌じゃないな!

 撮影と同時に診察室のテレビモニターに拡大表示されるX線写真や歯根部まではっきり映し出されたモニター映像を見ながらの治療はこれまでの“何をされているのか分からない恐怖”とは無縁でずいぶんリラックスして治療を受けることができました。

 結局、問題の小臼歯は抜歯を免れ治療費も案外リーズナブルなものでした。いったん“上質な治療”の快楽に染まったらたたきに靴やサンダルが所狭しと脱ぎ捨てられている診療所にはもう戻れません。

本誌:2008年11.3号 14ページ

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