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歯科自由診療(上)

 何カ月も前から左上の小臼歯付近の口蓋からときどき膿がでるようになりました。いつまでも放置していては歯だけでなく全身の健康にまで影響がありそうで、痛みが強くなった日、意を決して近所の歯科医院を訪ねました。

 ところがこの歯医者さん、今年の春、元の医院のすぐ近くにひどくバブリーな自由診療の分院を開設、大先生はそこでご自身が理想とする診療に専念されることになったのです。

 私は従来通り保険診療もある本院の方へ出かけたのですが、「これは理事長に診てもらった方がいい」ということで半ば自動的にお高い方に振られてしまいました。

 高級ホテル並のインテリア、超大型テレビの前にはブルガリのソファが鎮座し、さらにピアノやバーカウンタにワイングラスまで備えられています。ときおりハイソな上得意様を招待して「弦楽四重奏の夕べ」でも催している様子がうかがえます。

 「ここは自分の身の丈にあってない、要するに治療以前に居心地が悪い」という気がしたもののさりとて逃げ出す勇気もありませんでした。診察の結果は、最悪の場合、抜歯してインプラントになるかもしれないとのことでした。

 でもどっちみちインプラントは保険がきかないし、他の歯医者さんを探すのも面倒なので先生にお任せすることにし、次回の予約票をもらって帰りました。そこにはこのように書かれていました。

 「上質な治療を選ばれたあなたはとてもすばらしいと思います」 

 先生も言うよねえ!(続く)

本誌:2008年10.27号 12ページ

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