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同僚の忠告

 2001年3月両親の介護のため定年まで7年を残して早期退職しました。退職することが決まったとき同僚の女性が私に声を掛けてくれました。彼女は5人姉妹の長女で、苦労して育ったらしく人生を見つめる目は厳しい人でした。

 「あなたに2つアドバイスします。兄弟と仲良くすること、いずれ必ずお兄さんの助けが必要なときがくるので、取り返しのつかないような喧嘩をしないように。もう1つは退職金で株など買わないこと」。

 そうは言っても、親元近くに住んでいる兄夫婦が親の面倒を見る気がないので私が退職せざるとえなかったのだし、仲良くなんてできるはずがありません。

 株はといえば、信用取引だけは手を出さなかったものの散々な有様です。

 7年後の今、改めて同僚女性の言葉をかみしめています。いったい人間というものは何故他人や先輩の忠告を聞けないものなんでしょうか。親の意見にも本能的に反撥するようにできているような気がします。

 しかし人生ってこんなものではないでしょうか。親のいうことを素直にハイハイと言って聞くような子は大した大人にならないというのが定説であり、第一自分の人生は自分の好き勝手に生きていきたいものです。

 同僚女性の貴重なアドバイスを2つとも無視した結果は、恥ずかしくてとても彼女に報告できるようなものではありません。「だから言ったじゃないの」という声が聞こえてきそうです。

 しかしながら孤軍奮闘していた介護も兄が学校を定年退職した後、手伝うようになり徹夜で母親のおしめを換えたり、親父に朝飯を食べさせたりしています。案外やるものだと少々見直しました。なんとかなるものです。ただ兄弟仲が悪いことは以前と同じですが。

本誌:2008年10.20号 14ページ

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