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巻頭特集「イオンタウン」で巻き返し図るマックスバリュ

24時間スーパー林立の水島地区で勝算は? 年商70億円目指すモール型施設

  • イオンタウン水島SC(完成イメージ図)

 マックスバリュ西日本(株)(MV西日本、姫路市)が手掛けるモール型商業施設「イオンタウン水島SC」が、6月25日、倉敷市水島高砂町3-11にオープンする。グループ会社が運営するイオン倉敷SC(現イオンモール倉敷)をほうふつさせる名称で注目されるが、県下では、(株)ハローズ(福山市)や大黒天物産(株)(倉敷市)という多店舗化を進める新興勢力の陰に隠れMVの存在感はいまひとつ。水島地区はハローズが県下1号店を出店し、人口10万人足らずの商圏に24時間スーパー5店が集積した深夜営業の“メッカ”。同地区でドミナント展開する地元・(株)仁科百貨店(倉敷市)を交え、商戦はヒートアップしている。イオンタウンの期待と注目点を検証する。(リード)
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 MV西日本が、県下でモール型の商業施設を展開するのは初めて。今回はドラッグストアやファッション、メガネ、リサイクルショップ、飲食施設などバラエティに富んだ40店が集まっており「さまざまな業種が集まりワンストップで買い物できる利便性」を訴えている。

 商圏は車で15~20分の約20万人。足元の水島地区のほか倉敷中心部や児島、玉島両地区の一部も含まれ、連島店との自社競合や、ジャスコ倉敷店との自社競合も必至だ。

 核店舗のMVでは、近隣農家から仕入れるホウレンソウやコマツナなどの新鮮野菜のほか、水産物も下津井、寄島の漁港から仕入れるなど、地元色を前面に出し、年間売上高20億円を目指している。

 来岡した藤本昭社長が「地域のお客のコミュニティの中心になる商業施設にしたい」と話したように、テナントには物販以外にも、スーパー銭湯、英会話・パソコン教室などを揃える。一方、同地区はダイエー、サティがいずれも閉店に追い込まれたGMS(総合スーパー)不毛の地。その後、衣料、書籍、食品、ドラッグをワンストップで買い物できるのは両備ホールディングス(株)(岡山市)の商業施設「P.モール連島」ぐらいで、地元では今回の出店に期待する声も大きい。

●イオンタウンとは
商業施設面積1万4000平方メートル
書店、温浴施設など集積

 イオンタウン水島SCは、6月25日、倉敷市水島高砂町3-11のジャパンエナジー高砂団地跡にオープン(核店舗部分は6月10日開店)する。

 敷地面積は4万7074平方メートル。鉄骨平屋の3棟構成(計1万8589平方メートル)。商業施設面積は1万3616平方メートルで、そのうち核のマックスバリュは2514平方メートル。このほか、ドラッグストア「タキヤ」や温浴施設「玉椿の湯」(7月17日オープン)、眼鏡市場、明林堂書店のほか、飲食店、各種教室など40の専門店が出店する。

 従業員約500人で、年間売上高70億円(そのうちマックスバリュは20億円)を目指す。営業時間は午前10時~午後9時。マックスバリュは24時間営業。年中無休。駐車場は740台分。

注目点1●岡山は空白地域
新興勢力に隠れ存在感希薄
県下店舗は広島の半分以下

 MV西日本は、今回の出店で県下9店体制。近隣県の兵庫(75店)と広島(21店)、山口(31店)と比べ格段に店舗数が少なく、昨年は児島店(倉敷市)と高松店(岡山市)を相次ぎ閉鎖している。

 同社はもともと、ウエルマート(株)(姫路市)と山陽マックスバリュー(株)(広島市)が統合し誕生。現在運営している一宮、鴨方、連島、児島の4店はグループのイオン(株)(千葉市、当時の社名はジャスコ)からの譲渡によるもの。地元を中心に店舗網を拡大した両社に挟まれた岡山では、店舗開発が進んでいなかった(山口県は地元チェーン店を買収)。

 ただ、地元・兵庫ではその存在感は抜群。岡山で破竹の勢いで多店舗化しているハローズが、岡山進出を経て、兵庫進出を目指していたが、この進出話を跳ね返したのがMV西日本の存在で、兵庫県下で圧倒的な知名度を誇る。

 MV西日本のモール型商業施設は、昨年9月のイオン高屋SC(東広島市)やイオン長田南SC(神戸市)に続く3施設目だが、「立地条件により業態は変わるが、出店の1つの柱となる業態」(藤本社長)。県下でのマックスバリュの存在感を高める施設となるか期待されている 。

注目点2●水島地区競合
24時間スーパー3つどもえ
年商20億円どこから“奪う”

 店舗数でいえば、最も影響を受けそうなのが水島地区に8店を展開する仁科百貨店。生鮮スーパーとして同業者の評価が高い「ニシナフードバスケット」へのスクラップアンドビルドを進め、地盤を築いてきた。

 24時間スーパーではハローズが「広江店」「連島店」、大黒天物産が「ディオマート中畝店」「ディオ東塚店」の各2店展開。MVの連島店やP.モール、山陽マルナカなどもあり、年商20億円をどこから奪うことになるのか関心は高い。

 出店場所周辺には人口が少ないが、郊外型店舗で広域から集客することはイオングループにとって“お手の物”。同業者がいう立地的不利をどう跳ね返すかが注目点だ。

注目点3●テナント誘致問題
多様な業種集まる40店
立地懸念され顔ぶれ微妙

 テナントを見ると、県下初出店のような、イオンタウンにしかないテナントは数少ない。(株)リグアグループ(大阪市)の温浴施設が、その貴重な初出店組で、周辺にスーパー銭湯が存在しないことから集客に貢献する存在にはなりそう。

 ただ、岡山県下で圧倒的な支持を受けるイオンモール倉敷と比較してテナントの顔ぶれが見劣りする印象は否めない。出店者募集の説明会には、県下のイオングループの大型商業施設に入居している地場企業も参加したが、施設規模や周辺人口の少なさを理由にことごとく出店を見合わせている。

 斬新なテナントは少ないが、さまざまな業種が集まり、ワンストップの利便性を感じる顔ぶれではある。

●植樹祭
イオンGの“お家芸”開催
地域住民約800人が参加

 6月1日には、地域住民、行政をも巻き込んだオープン記念の「イオンふるさと森づくり」植樹祭を開催した。

 地元住民約800人が参加し、イオンタウン敷地内にカンツバキ、ジンチョウゲ、ツツジなど14種類約3000本を植樹。伊東香織倉敷市長や地主の黒崎猛(株)ジャパンエナジー執行役員水島製油所長のほか、近隣の水島コンビナート内の大手企業関係者も駆け付けた。

 SCオープン時に植樹祭を実施するのはイオングループの“お家芸”といえるもので、イオンモール倉敷やイオン津山SCなどの誕生時にも実施。店に対する愛着が生まれ、固定客化が見込まれるイベントとなっている。グループ累計で18万6340本を植樹している。

本誌:2008年6.16号 4ページ

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