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[経営] 企業価値の評価方法

Q最近、明治製菓がポッカの普通株22%取得との記事がありましたが、一般に資本・業務提携時の株式評価はどのような方法で行うのですか。

純資産価値と収益価値により評価

A株式評価方法については、絶対的な評価基準はありませんが、ご質問のケースでは一般的に1.純資産価値に着目した「時価純資産法」2.収益価値に着目した「ディスカウントキャッシュフロー法」3.公開企業の市場価値に着目した「FBITDA法(類似会社比準法の1種)」などが良く使われます。
 
 評価方法ごとの算式と内容は以下の通りです。

(1)時価純資産法:(算式)1株当たり評価額=(会社資産の時価合計-負債時価合計)÷発行済株式総数
(内容)土地・株式等の時価評価、退職給付引当金の他、「営業権」の計上も含まれます。「営業権」の評価方法は1.超過収益力法(超過収益の3~5年分)2.年倍法(税引後利益の3~5年分)3.差額法(DCF法等による事業評価額と時価純資産額との差額)があります。

 「時価純資産法」は概念的に分かりやすく、中堅中小企業の株式評価によく採用される方法です。

(2)DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法:(算式)1株当たり評価額=年度別フリーCFの割引現在価値累計+非事業用資産価値-有利子負債÷発行済株式総数
(内容)将来フリーCFを一定の割引率で調整した割引現在価値累計を事業価値(EV)とみなし、EVに非事業資産価値と有利子負債額を加減算します。フリーCFは「税引後営業利益+減価償却費-設備投資±運転資金増減」で計算、割引率は「加重平均資本コスト」(通常5~7%)です。最も理論的は方法ですが、5~10年後の事業計画が必要で主観性が入りやすく、また、割引率の値で大きく評価額が変動します。

(3)EBITDA法:(算式)1株当たり評価額=(評価会社EV+現預金-有利子負債)÷発行済株式総数

評価会社EVは。評価会社EBITDA×類似会社平均(EV/EVITDA)倍率で算定され、類似会社EBITDAは、類似上場会社の「償却・利払・税引前利益」、類似会社平均EVは「株式時価総額+有利子負債-現預金」。(内容)DCF法よりも採用数値に客観性がありますが、中堅中小企業には採用し難い評価方法です。

税理士法人石井会計代表
石井 栄一氏
岡山市新保1107-2

本誌:2008年2.11号 23ページ

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