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連帯保証人

 大学生になって親元を離れる日、母から一言だけ注意をうながされました。「いかなる事情があっても連帯保証人になってはいけない」と。

 それは母自身、母の父親が寺の和尚にだまされて連帯保証人になったばかりに身代をつぶしてしまった苦い体験があったからです。

 幸い人望のない私に連帯保証人になってくれというような話はこれまでの長い人生で皆無でした。ところが最近、若い人からマンションを借りるのに連帯保証人になってほしいと言われ大いに当惑しているところです。

 そもそも公務員を辞めて無収入の人間が連帯保証人になどなれるわけもないのですが、それでも早くに両親を亡くした若い知人にとって保証人探しは大変だろうと同情します。

 振り返って、この連帯保証人の制度を調べてみると、極めて日本的な制度らしいことが分かりました。とりわけ不可解なのは保証人の責任が無限に大きい割には報酬が支払われることがまれなこと。

 頼む方は友人や親戚に泣きつかんばかりに哀願して保証人になってもらうくせに後は知らん顔。

 一方、連帯保証人にされた人はいつも「甥っ子のヤツ、公金に手を出さないだろうな」とか「セクハラ事件なんか起こさなないだろうな」と時折うずく虫歯のような不安を抱えて何十年も過ごさないといけません。

 まして金がからむとたちまち青木雄二の漫画「ナニワ金融道」の地獄に直行です。意味のない連帯保証人の制度は公序良俗に反する行為として民法から追放することはできないものでしょうか?

本誌:2007年11.19号 14ページ

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