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中3日の余裕

 大学を出たてのころ、図書館でアルバイトをしたことがあります。利用者からやや込み入った内容の調査依頼を受けた私は、これなら明日中に回答できるという見通しがあったので、電話で「明日までにお返事します」と答えました。

 すると、そのやりとりを横で聞いていた鬼上司が、「なぜ、明日と明言したのか」と怒りだしました。そしてこんな指導を受けました。明日までに片づくつもりでも、もしできなかったり、他に緊急の用件が入ったらどうするのか、そういうことも考えて中3日は余裕を持たせろ、と。なるほどこれが公務員の論理かと感心しました。
 
 月曜日、10年ぶりに旅券の申請をしました。窓口の係員の態度は昔と様変わりして親切この上ありません。しかし交付は来週の月曜日以降と言われたとき、昔の上司の「中3日」を思い出してしまいました。

 パスポートは重要な書類なので審査に慎重を期すのは当然のことですが、これとて戸籍抄本や過去の発給歴と照合する程度のことを機械的にやっているにすぎないでしょうから1日もあれば十分のはず。ではこのIT時代になぜ1週間もかかるのでしょう。

 申請書が市町村から県へ行くのに1日(岡山市以外は2日)、作成するのに1日、検査に1日、できあがったパスポートが県から市町村窓口に到着するのにまた1日(2日)、そして受け取りはその翌日からとひとつひとつの動作が時間単位でなく1日単位でしか進まないことに遅くなる理由があるようです。

 ある意味ではパスポートよりさらに重要な運転免許証ですら即日交付の時代に旅券発給だけ船旅時代のスローペースを守っているのはいかがなものでしょうか。 

 せめて中3日で発給してくれたら月曜日の申請で週末の海外旅行に間に合うのですが。

本誌:2007年7.16号 16ページ

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