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ああ、タンチョウ

 この夏、タンチョウで有名な釧路湿原を訪れて意外なことを知りました。釧路に続いて、まとまった数のタンチョウが飼われているのは、地元岡山の県自然保護センターであることを。まさに灯台下暗しです。

 さっそく和気郡和気町田賀にあるセンターを訪問してみました。元々日本の田舎の原風景である里山をそのまま残した立地で、広さは約100ha。湿生植物園、水生植物園、昆虫の森、虫の原っぱなどの観察施設が遊歩道に沿ったかたちで配置されています。

 ここで飼われているタンチョウは50羽前後、若鳥から20年以上生きている老鳥まで、1羽ずつ名前が付けられ2羽1組でケージ飼いされています。

 私はここで、またしてもタンチョウについて意外なことを聞きました。絶滅寸前の鳥なので繁殖にどれほど苦労しているのかと思ったら、実は“産児制限”しているとか。

 巨大ケージの維持にもお金がかかるし、たいていの動物園には既に先住者がいて、もらい手がないらしいのです。しかし変な話です。ケージや飼育施設がないから増えては困るとは。

 タンチョウは元々シベリアからの渡り鳥、ケージ飼いするような鳥ではありません。もちろん自然保護センターでもタンチョウを自然に返す試みはしているそうで、センターのホームページには高梁川の中洲(総社市)でヒナを育てているペアの写真が載っています。

 岡山の自然にはまだまだ大型鳥を養う力が残っていることが伝わってくる光景です。

 センターのタンチョウたちに目いっぱい繁殖に励んでもらい、育ったヒナはどんどん自然に返してほしい、例え自然の中で生きていくことは過酷であってもです。

本誌:2006年10.2号 12ページ

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