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早朝の地震

 ”何か変!?”と思ったら岡山では珍しい震度4の地震でした。地震が来るたびに感じるあの不思議な感覚は一体何なんでしょう。

 阪神淡路大地震が起きた時、私は淀川河口近くの30階建てマンションに住んでいました。経験したことのない暴力的な揺れにたたき起こされた時、とっさに思ったのは、のっぽマンションの上層部がポキッと折れて崩れ落ちるんじゃないかという恐怖。

 ほどなく淀川上空を数珠つなぎになったヘリコプターが、炎上する神戸に向かって行きました。コッポラ監督の「地獄の黙示録」のワンシーンを見るような不気味な光景が今でも目に焼き付いています。

 阪神大震災で改めて地震の破壊力の大きさを見せつけられたはずなのにマンションやホテルの耐震強度が偽装されたり、エレベーターがいつ恐怖の殺人マシンになるかも分からないのに、人々は高層階を目指します。

 東京で大人気のウォーターフロントに立つ超高層マンション群。窓越しに富士山を眺めて優雅に暮らしている住人も、いったん大地震が来ると一杯の水を求めて40階分もの階段を上り下りしなければならないと分かっていて購入するのでしょうか?

 「そんなことはめったにあるものじゃない、杞憂だ」と言い切れないところに地震の不気味な真実があります。

 実際私が神戸大地震に襲われたのは30階建てマンションに入居して数年しかたってない時のことでした。(康)

本誌:2006年6.19号 12ページ

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