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床ずれラップ療法

 褥創(床ずれ)は介護する人の目をかすめてある日突然寝たきりの人の弱った皮膚を襲います。母の場合、高機能ベッドのおかげで何とか無事過ごしてきたのですが、今年の正月過ぎ、一晩病院の堅いベッドで過ごしただけでお尻に床ずれができてしまいました。

 その後、皮膚科や外科の先生に診てもらっては”適切な”治療を受けてきたのですが10円玉ほどの褥創は一向によくなる気配を見せない。

 私なりにいろいろ悩んだ挙げ句、思い切ってやってみたのが”ラップ療法”です。”ラップ療法”とは怪しげな民間療法などではなく、褥創や熱傷の効果的な治療法として着実に医療・介護現場で普及してきている技術です。

 その方法をごく簡単に言うと、褥創部分をぬるま湯で洗って、食品用のラップで傷を覆い湿潤環境を保つのですが、この療法に換えて以来、母の手当(洗浄とラップの貼り替え)をするのが楽しみになりました。日々、創の範囲が縮小しているし、何よりも褥創を直視する勇気が出てきました。

 ”ラップ療法”を開発したのは相澤病院(松本市)褥創治療センター統括医長の鳥谷部俊一先生。「褥創治療の常識非常識」(三輪書店)という著書があります。

 母のお尻によみがえりつつあるみずみずしい肌を見るにつけ、自然治癒力のすごさに感嘆するとともに鳥谷部先生への感謝の気持ちでいっぱいになってきます。

本誌:2006年5.1号 12ページ

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