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中年キューピッドの悩み

 晩秋のころ、散歩道で拾った捨て猫のミーシャ(♀)。やんちゃな子猫の出現で年老いた両親宅がぱっと明るくなりました。私はミーシャがどんな福を招いてくれるのか楽しみにしていたのに正月早々、彼女が引き寄せたのは何とオスの迷い猫、ガリガリに痩せているし、背中に大怪我を負っていました。

 「迷い猫預かっています」というチラシをあちこち掲示してみたものの元の飼い主は現れず、結局「ムサシ」と名付け、私のマンションに引き取りました。

 3月になって猫たち2匹、どちらも大人になりかけてきたこのごろ、気になるのは避妊手術のこと。手術はペット飼育の常識になっていますが、せっかく命を繋いで大人になろうとしている猫たちの命運を「子供を産ませない」とか「おとなしくなって長生きするから」といった理由で簡単に決めていいのか決断しかねています。

 そんな私の悩みをよそに、両親宅に行くとミーシャは私のズボンに体をこすりつけてうっとり。ムサシのにおいがするのでしょう。そしてマンションに帰ると今度はムサシがもだえて床の上を転がり回っています。私はいつも2匹の猫からモテモテの中年キューピッド。

 避妊手術を決断するのは、彼らの春のもだえが私や両親の許容限度を超えたすさまじいものになるかどうか、それを見極めた上からでも遅くない、と考えています。

本誌:2006年3.13号 12ページ

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