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報道機関のゆがみ

 産経新聞記者による「月とコウノトリ」写真合成事件があったかと思うと、今度はNHK記者による連続放火事件というとんでもない事件が起きました。かなり以前のことですが、朝日新聞でも記者自ら珊瑚礁に傷を付けて「イタズラに泣く珊瑚礁」のようなタイトルで報道した事件もありました。

 橋本NHK会長は謝罪しつつも「基本的には個人の資質によるもの」として企業体質に問題はないとの見解を示していました。しかし、まさか自作自演を奨励するような報道機関などあるはずもなく、むしろ企業体質に問題がないという認識自体が問題であると思います。

 記者にはスクープを取って一日も早く東京や大阪で活躍したいという希望とあせりは常にあると思うし、どろどろした学歴主義や古い人事組織を、ほかのどの産業より色濃く保存しているのが報道機関ではないでしょうか。

 むかし、夏休みに志賀高原のホテルで社会人や学生を対象にしたフランス語合宿というのがあって参加したのですが、生徒の一人に東大出のNHK記者がいて、ものすごい高圧的な態度でほかの参加者に采配をふるうのです。今でもその時のことがトラウマになっているぐらい。

 上品な教養番組や罪のない娯楽番組を数波も使って流し続けるNHKも、こういう幹部による恐怖体制に支えられているのかと思うと、放火事件の記者が入社まもなく精神の変調をきたしたのも無理からぬことと思ってしまいます。

本誌:2005年11.14号 12ページ

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