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[制度] 日本版LLPとは ~その2~

Q:日本版LLPについて、今回は、その活用例と課税上の効果について教えて下さい。

A:LLP活用でビジネス連携が活発になります!

1.LLPの特徴:(1)有限責任制(2)内部自治原則(総会・取締役会不要、組合員合意による柔軟な損益配分可能)(3)構成員課税(LLP出資者に直接課税。損失は他の所得と損益通算可)の3つの特徴を持つ特例民法組合です。

2.LLP活用例:LLPが活用されるのは法人又は個人の共同事業で、(1)中小企業連携(金型メ-カ-と成型加工メ-カ-の連携)(2)ベンチャ-企業・中堅中小企業と大企業の連携(バイオ研究開発等)(3)産学連携(ゲノム解析応用研究等の大学発ベンチャ-)(4)専門人材による共同事業(ソフト開発、経営コンサル、介護事業等)(5)農業やまちづくり(農家と食品加工・流通業の連携)等が想定されます(経産省資料より)。株式会社では、(1)出資比率に縛られ議決権・配当割合で技術・ノウハウ貢献に報いられない(2)開発投資による赤字を親会社所得と損益通算できない(3)法人税課税と配当課税の2重課税などの限界がありますが、LLPなら可能です。

3.LLPの課税上の効果:(1)(決算処理)LLP決算時には、構成員は、LLP決算書を損益分配割合に応じて会計処理を行い、各構成員で税務申告する必要があります。(2)(構成員課税)LLPから生じる損益は全て構成員に帰属します。LLPは課税されず構成員に直接課税されます。個人構成員の場合、LLPの事業内容により不動産所得・事業所得・山林所得いずれかとなり、給与所得等他の所得と損益通算可能です。法人構成員の場合は、法人所得の一部となります。

(3)(損失超過額の処理)構成員課税の租税回避への利用を防止するため、構成員の出資金額を超過する組合損失は損金不参入です。但し連続して確定申告書提出を条件に、当該損金不参入額が翌期以降に繰越され、組合利益が生じた期に損金参入可能。(4)(柔軟な損益分配)LLP法では出資比率と異なる柔軟な損益分配(全員同意・書面で分配割合の定め・定めた理由を記載が条件)が可能です。但し税務上は税務判断上の合理的理由が必要です。なおLLPで支出した研究開発費は各構成員に帰属し各構成員に研究開発減税適用。

税理士法人石井会計代表
石井 栄一氏
岡山市野田2-4-1シティセンタービル1F
TEL086-805-1121

本誌:2005年11.14号 33ページ

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