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井戸水

 岡山市郊外にある親の家では古井戸が今も生きています。私が生まれた終戦直後のころ、上水道が無く水汲みは子供にとって重労働でした。

 水道が普及した今では井戸の出番はもう無いと思われていたのに昨今の異常気象による渇水、震災時対策、それに水道料金の値上げ、健康面への影響など、さまざまな理由を背景に井戸水再評価の機運が高まっています。

 私もせっかくの冷たくておいしい井戸水を洗車や野菜の水やりだけに使うのはもったいないと思い、飲み水として問題がないかどうか水質検査をしてもらいました。その結果はほとんどの項目で問題がなかったのに、一般細菌だけ水質基準値を超えていました。

 果たしてこの水は“生”で飲めるのかどうか?少なくとも私は大丈夫、当たりません。なにしろこの井戸水で産湯をつかったのですから耐性があります。東南アジアの子供達が濁った小川で泳いでいても元気一杯なのも同じ理屈ではないでしょうか。

 ところで50項目にも及ぶ水質基準を完全に満たしている日本の水道水は安心して飲める水であるはずなのに、いま一つ評判が悪い。井戸水に代えたらアトピーが治ったなどという話もよく聞きます。

 私の想像ですが、一般細菌を含んだ自然の水を飲むと体は細菌を無害化するのに忙しい、一方、滅菌水しか飲まないと免疫機構はひまにまかせて自分自身を攻撃してしまうのではないか。

 しかしながら、井戸水も周辺環境の影響を受けて思わぬ重金属類で汚染されていないとも限りません。飲む前に一度水質検査しておくことはとても大切なことだと思います。

本誌:2005年7.21号 20ページ

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