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反日ブーイング

 サッカー=アジアカップ戦で中国人観客が日本チームやサポーターたちに見せたブーイングの嵐。 その背景には、首相の靖国参拝が象徴しているように、日中戦争に対する日本の反省はうわべのものにすぎない、という中国民衆の日本に対する根強い不信感があるようです。

 30年以上も昔のことですが、ヨーロッパ最高峰のモンブラン観光をしたことがあります。そこで生涯の親友となるドイツ人、ウド君に初めて出会いました。お互い二十歳を少し過ぎたばかり。

 我々が楽しく話をしているとスウェーデンの老婦人が仲間に入ってきました。するとウド君はいきなり「大戦中はドイツが貴国に大変なご迷惑をおかけして済まない」みたいなことを初対面の老婦人に言い出したのです。

 スウェーデン人のおばあさんは「何言ってるのよ、あなたが生まれたのは戦争が終わって何年も経ってからのことじゃない。そんなこと思う必要全然ないわ」と返していました。ちょっとできすぎた話のようですが実話です。

 ドイツは不名誉な歴史から目をそらすことなく子供を教育してきたのです。サッカー場でのブーイングは確かに洗練されたマナーからはほど遠いものを感じさせますが、だからといって中国の国民感情を無視して「未開の民(某大臣発言)」などと子供の喧嘩のような応酬をしているようでは戦後のドイツが勝ち得たような国際社会での信頼感を得るのはむずかしいと思います。(康)

本誌:2004年8.11号 16ページ

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