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連載記事社説

存在目的の追求こそ信頼回復への道

 衆議院の任期が折り返し点を過ぎ、解散・総選挙と絡んでパワーワードとして「減税」がクローズアップされている。岸田文雄首相は記者会見で、上振れした税収を「国民に還元する」と繰り返し述べており、与党幹部からも減税を求める発言が相次いでいる。諸物価の高騰が家計を直撃している中だけに減税自体はもちろん歓迎したい。

 岸田首相は当初、「賃上げ税制の減税制度強化」「国内投資の促進や特許所得に対する減税制度創設」など、国民生活に直接影響しない内容を想定していたが、与党幹部から所得税や即効性のある給付措置、自民党の若手議員からは消費税率引き下げ…と議論百出。ただ問題なのは、減税の先には「異次元の少子化対策」の財源問題や防衛増税がちらついていることもあり、選挙目当ての「偽減税」との疑念が根強いことだ。

 作家の百田尚樹氏とジャーナリストの有本香氏が立ち上げた日本保守党は、公式X(旧ツイッター)のフォロワー数がアカウント開設から約1カ月で30万人を超え、党員数は募集開始から数日で4万人を超えた。いわゆる「政治のプロ」ではない人物が立ち上げる新党がこのような支持を集める理由について考えてみると、明確な「存在目的」の有無に尽きるのではないか。

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本誌:2023年10月23・30日号 18ページ

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